米3月雇用統計【21:30】
●失業率
予想:8.9%(前回:8.9%)
●非農業部門雇用者数
予想:+19.0万人(前回:+19.2万人)
先月(3月)発表された米2月雇用統計は、失業率が9.1%予想に対して8.9%
とやや良化、しかし非農業部門雇用者数は+19.5万人予想に対して+19.2万人と
小幅ながら悪化という結果になりました。このためドル円は発表直後こそ83円
ラインを回復する動きを見せたものの、事前に上昇していたこともあってその
後は利食い先行となって82円前半まで値位置を切り下げる展開となりました。
もっとも中東・北アフリカ情勢の不透明感を含めてさまざまな思惑が交錯し続
け、大きく値が動くという展開にはなりませんでした。
しかし今回の米3月雇用統計における先行指標とされる一昨日(3月30日)の
米3月ADP雇用統計(民間)では、わずかながらも事前予想に届かない結果とな
りました。また前回分も下方修正されているなど、好内容といえるものではあ
りませんでした。さらに米国では財政悪化を背景にして州政府が人員削減に踏
み切っているとの噂もあり、そしてADPは政府雇用を含んでいないことから、
今回の米雇用統計で注目の非農業部門雇用者数が予想以上に下振れするのでは
ないかとの思惑も一部では渦巻いています。
現在のマーケットがもっとも注目しているのは、今年6月での終了が噂され
る米金融緩和政策第2弾(QE2)の行方です。そして米雇用環境の改善状況は、
この行方を左右する大きなファクターとなります。特に米雇用統計は事前予想
との乖離が多いことで知られているのみならず、思惑によって変動することも
多い荒れやすい経済指標として知られています。今回は米金融政策を巡る思惑
も絡んでいることから、前回以上に複雑な値動きになることも想定しておかな
ければなりません。いつも以上にリスク管理を徹底するなどの警戒が必要な
米雇用統計といえそうです。
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